ゲーム中に別モニターのYouTubeをキーボードで操作する|AutoHotkey v2で音量・5秒送り
目次8項目
ゲームをしながら、別モニターでYouTubeや動画配信サービスを流すことがあります。しかし音量を少し下げたいだけでも、ゲームからマウスを移動し、動画プレイヤーをクリックして、操作後にゲームへ戻らなければなりません。
そこで、ゲーム側にカーソルを置いたまま、左Shift+矢印キーで別モニターの動画を操作するAutoHotkeyスクリプトを作りました。音量調整と再生位置の変更を、1本のbrowser-video-control.ahkで操作できるようにしています。
この記事では、次の順番で仕組みと使い方を説明します。
- 作った理由
- 操作できる内容
- 導入方法と完成版AHK
- 私が実際に使っている操作方法
- 制約とトラブル対策
このスクリプトはWindows・AutoHotkey v2・Microsoft Edgeを対象にしています。完全なバックグラウンド操作ではなく、Edgeを一瞬アクティブにしてキーを送り、元のゲームへ戻す方式です。
ゲーム中にマウスを移動したくなかった
2画面環境では、ゲームを左モニター、YouTubeを右モニターに置くと便利です。ただし、動画を操作するたびに次の往復が発生します。
- ゲームからマウスを右モニターへ移動する
- YouTubeのプレイヤーをクリックする
- 音量または再生位置を変更する
- マウスをゲームへ戻して再度クリックする
一度だけなら小さな手間ですが、音量や再生位置を何度も調整すると集中が途切れます。今回のスクリプトでは、この往復を左Shift+矢印キーへまとめました。

図の見方:左側のゲームでカーソルと操作を維持したままホットキーを押します。スクリプトが右側のEdgeへ矢印キーを送り、その後ゲームへ戻します。
この方式なら、マウスカーソルを動画側へ合わせる必要はありません。ただし内部では短時間のウィンドウ切り替えが発生します。「ゲームのフォーカスを一切変えない仕組み」ではない点が重要です。
音量と再生位置を4つのキーで操作する
今回作成したAHKでは、操作を次の4つに揃えました。
| ホットキー | YouTubeへ送るキー | 動作 |
|---|---|---|
| 左Shift+右矢印 | Right | 5秒進む |
| 左Shift+左矢印 | Left | 5秒戻る |
| 左Shift+上矢印 | Up | 音量を5%上げる |
| 左Shift+下矢印 | Down | 音量を5%下げる |

図の見方:左Shiftを共通キーとして押し、上下で音量、左右で再生位置を操作します。1本のAHKで4つの操作を使い分けます。
YouTubeの公式キーボードショートカットでは、シークバー上の左右矢印は5秒の戻し・送り、上下矢印は音量を5%ずつ変更する操作として案内されています。また、キーボードショートカットを使う前に動画プレイヤーをクリックする必要があるため、ゲームを始める前にYouTube側で一度プレイヤーをクリックしておきます。
dアニメストアもウィンドウタイトルの候補に含めていますが、矢印キーに対する動作はサービス側の画面や仕様によって変わる可能性があります。上の秒数と音量幅はYouTubeでの動作として読んでください。
AutoHotkey v2へ導入する手順

図の見方:AutoHotkey v2を導入し、完成版AHKを保存します。保存したAHKを実行し、通知領域のアイコンと左Shift+矢印キーの動作を確認します。
1. AutoHotkey v2をインストールする
今回のコードは先頭で#Requires AutoHotkey v2.0を指定しており、v1用の構文ではありません。次の手順でAutoHotkey v2をダウンロードし、Windowsへインストールします。
手順1:公式トップページで「Download」を選ぶ
AutoHotkey公式サイトを開きます。似た名前の配布サイトではなく、アドレスがautohotkey.comであることを確認し、トップページ中央の緑色のDownloadボタンを選びます。

画像の見方:左側の緑色のDownloadを選びます。右側のForumsは利用者向けフォーラムへの入口で、ダウンロードボタンではありません。
手順2:「Download v2.0」を選ぶ
次の画面で、左側の緑色のDownload v2.0を選びます。右側のDownload v1.1 (deprecated)は旧バージョンです。この記事のAHKはv2向けなので、v1.1ではなくv2.0をダウンロードしてください。

画像の見方:この記事で選ぶのは左側のDownload v2.0です。
手順3:exeファイルを任意の場所へ保存する
インストーラーのexeファイルは任意の場所へ保存できます。特にこだわりがなければ、ブラウザーの既定の保存先である「ダウンロード」フォルダーのままで構いません。

画像ではAutoHotkey_2.0.26_setup.exeという名前ですが、ダウンロードする時期によって数字部分は変わる可能性があります。AutoHotkey_2.0から始まり、末尾が_setup.exeになっているファイルを確認します。
手順4:ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックする
保存されたセットアップexeをダブルクリックします。Windowsからユーザーアカウント制御の確認が表示された場合は、配布元とファイル名を確認してから続行します。
手順5:インストール先と「All users」を確認して「Install」を選ぶ
インストール画面が開いたら、Install toに表示されている保存先を確認します。特別な理由がなければ、既定値のC:\Program Files\AutoHotkeyから変更する必要はありません。
続いてInstall modeでAll usersを選び、画面下部のInstallを選びます。これにより、PC内のすべてのWindowsユーザーがAutoHotkeyを利用できる形でインストールします。Current userやPortableは今回使用しません。管理者権限を使えないPCや管理された会社PCでは、勝手に進めず管理者へ確認してください。

画像の見方:インストール先は既定値のまま、All usersにチェックが入っていることを確認して、盾マークの付いたInstallを選びます。
手順6:インストール完了を確認する
インストール処理が終わり、完了画面が表示されればAutoHotkey v2の導入は完了です。インストーラーを閉じ、次の「完成版AHKを保存する」へ進みます。ダウンロードフォルダーに残ったセットアップexeは、インストール後の動作には使用しません。
2. 完成版AHKを保存する
browser-video-control.ahkを任意のフォルダーへ保存します。デスクトップ上に置くと、必要なときにすぐダブルクリックできるので便利です。ブラウザー上にコードが表示された場合は、右クリックから名前を付けて保存し、拡張子を.ahkにしてください。
保存する完成版AHKの内容は次のとおりです。Web上から入手したAHKは、実行前にメモ帳などで開き、内容を確認してください。
#Requires AutoHotkey v2.0
#SingleInstance Force
; 上から順に、操作対象として優先します。
TargetTitleKeywords := ["YouTube", "動画再生", "dアニメストア"]
; Edgeの各ウィンドウから、動画を表示しているウィンドウを探します。
FindTargetWindow() {
global TargetTitleKeywords
for keyword in TargetTitleKeywords {
for hwnd in WinGetList("ahk_exe msedge.exe") {
if InStr(WinGetTitle(hwnd), keyword) {
return hwnd
}
}
}
return 0
}
; ゲームへ戻れるように現在のウィンドウを覚え、Edgeへキーを送ります。
ControlVideo(keyName) {
previousWindow := WinExist("A")
targetWindow := FindTargetWindow()
if !targetWindow {
return
}
try {
WinActivate(targetWindow)
if WinWaitActive(targetWindow, , 0.5) {
Sleep(40)
Send(keyName)
Sleep(40)
}
} finally {
if previousWindow && WinExist(previousWindow) {
WinActivate(previousWindow)
}
}
}
; 左Shift + 矢印キー
<+Right::ControlVideo("{Right}") ; 5秒進む
<+Left::ControlVideo("{Left}") ; 5秒戻る
<+Up::ControlVideo("{Up}") ; 音量を上げる
<+Down::ControlVideo("{Down}") ; 音量を下げる1本のAHKを構成する役割
TargetTitleKeywordsでYouTube、動画再生、dアニメストアの検索順を指定FindTargetWindow()でEdgeから操作対象の動画ウィンドウを検索ControlVideo()でキー送信と元のゲームへ戻る処理を実行- 左Shiftと4方向の矢印キーに音量・再生位置の操作を割り当て
tryとfinallyを使い、キー送信中に問題が起きても元のウィンドウへ戻るようにする
内部では何が起きているか

図の見方:ホットキーを押すと、最初に現在のゲームウィンドウを記憶します。続いてタイトルにYouTubeなどを含むEdgeウィンドウを探し、アクティブ化して矢印キーを送り、最後に記憶していたゲームへ戻ります。
Sleep(40)をキー送信の前後に入れているため、待機時間だけで合計約80ミリ秒です。実際にはウィンドウのアクティブ化にかかる時間も加わります。PCやゲームによっては、一瞬のフォーカス移動が見えたり、入力が抜けたりすることがあります。
タイトルの優先順を変える
複数の対象を同時に開く場合は、配列の上にあるキーワードが優先されます。dアニメストアを優先したい場合は、次のように並べ替えます。
TargetTitleKeywords := ["動画再生", "dアニメストア", "YouTube"]YouTubeだけで使うなら、次のように1件だけにしても構いません。
TargetTitleKeywords := ["YouTube"]3. AHKを実行する
browser-video-control.ahkをダブルクリックします。通知領域にAutoHotkeyのアイコンが表示されれば実行中です。
![]()
画像の赤枠内にある緑色の「H」アイコンがAutoHotkeyです。このアイコンが表示されていれば、AHKファイルが実行され、ホットキーを待ち受けている状態です。
4. ゲーム側から動作を確認する
最初はゲーム本番ではなく、メモ帳などをアクティブにして左Shift+矢印キーを試します。YouTubeの音量または再生位置が変わり、元のウィンドウへ戻れば基本動作は成功です。
終了するときは、通知領域のAutoHotkeyアイコンを右クリックしてExitを選びます。ホットキーはスクリプト実行中、Windows全体で有効になるため、ゲームを終えた後は終了しておくと誤操作を防げます。
毎回ダブルクリックしたくない場合:ログイン時に自動起動する
ここからは、WindowsへログインするたびにAHKを自動起動したい人向けの設定です。必要なときだけ手動で起動したい場合は、この設定を行う必要はありません。
毎回browser-video-control.ahkをダブルクリックするのが面倒な場合は、WindowsのスタートアップフォルダーへAHKファイルを置くと、ログイン時に自動実行できます。
手順1:Windowsキーを押しながらRキーを押す
キーボードのWindowsキーを押しながらRキーを押します。画面左下に「ファイル名を指定して実行」が表示されます。
手順2:「shell:startup」と入力してOKを選ぶ
「名前」欄へshell:startupと入力し、OKを選びます。入力後にEnterキーを押しても構いません。

画像の見方:shell:startupを入力し、下部のOKを選びます。
手順3:スタートアップフォルダーへAHKファイルを置く
エクスプローラーで、現在のWindowsユーザー用の「スタートアップ」フォルダーが開きます。

先ほど保存したbrowser-video-control.ahkを、このフォルダー内へドラッグ&ドロップして置きます。元のAHKをデスクトップなどに残しておきたい場合は、ファイル本体ではなくショートカットを作成し、そのショートカットをスタートアップフォルダーへ置く方法でも自動起動できます。
手順4:次回ログイン時に自動起動を確認する
次回Windowsへログインすると、browser-video-control.ahkが自動的に実行されます。通知領域に緑色の「H」アイコンが表示されていることを確認してください。PCの電源を入れた瞬間ではなく、Windowsユーザーがログインした後に起動する仕組みです。
自動起動をやめる場合は、もう一度shell:startupで同じフォルダーを開き、配置したAHKファイルまたはショートカットをフォルダーから取り除きます。すでに実行中のAHKは、通知領域の緑色の「H」を右クリックし、Exitを選んで終了してください。
私の実際の使い方:ショートカットデバイスから操作する
私は普段、キーボードで左Shift+矢印キーを直接押すのではなく、Stream Deckのような、ショートカットキーを登録できるデバイスからこのAHKを操作しています。なお、掲載している写真の製品はStream Deckではありません。

画像は、私が実際に使用しているショートカットデバイスです。画面上で「音量調整」と「動画操作」に分け、デバイス側の設定で左Shift+上下左右の矢印キーを任意のボタンへ割り当てています。
ボタンを押すと、デバイスがキーボードの代わりに登録したキーを入力します。そのため、AHK側のコードを変更しなくても、次の4操作を手元のボタンから呼び出せます。
- 音量を上げる
- 音量を下げる
- 5秒進む
- 5秒戻る
ゲーム中にキーボード上のキーを探さず、割り当てたボタンを押すだけで操作できるのが利点です。ボタンの表示や配置も自分が押しやすいように変えられるため、誤操作を減らしながら動画を操作できます。
ショートカットデバイスは必須ではありません。通常のキーボードでも同じAHKを使えますが、すでにプログラマブルデバイスを持っている場合は、4つのホットキーを登録すると使いやすくなります。
制約と動かないときの確認

図の見方:このスクリプトは短く扱いやすい反面、対象ブラウザー、タブの状態、フォーカス移動、ゲーム側のキー設定、複数動画を開いた場合の優先順に制約があります。
完全なバックグラウンド操作ではない
コードはWinActivate()でEdgeを一瞬アクティブにしてから、元のウィンドウへ戻します。排他的フルスクリーンのゲームでは、画面のちらつきや最小化が起こる可能性があります。その場合は、ゲームをボーダーレスウィンドウまたはウィンドウモードにすると改善することがあります。
Edgeの背景タブは探せない
WinGetList("ahk_exe msedge.exe")で取得できるのはEdgeのトップレベルウィンドウです。WinGetTitle()で確認できるタイトルも、そのウィンドウで現在選択されているタブのものです。
YouTubeを同じEdgeウィンドウの背景タブに置いている場合は見つかりません。別モニター側でYouTubeを選択した独立ウィンドウにしておきます。
検索欄やコメント欄にフォーカスがあると動作が変わる
矢印キーは、現在フォーカスされている場所へ送られます。YouTubeの検索欄、コメント欄、別のボタンにフォーカスがあると、動画操作にならないことがあります。ゲームを始める前に動画プレイヤーを一度クリックしてください。
ゲーム内のキーと競合する可能性がある
左Shift+矢印キーをゲームが使用している場合、スクリプトとゲームの両方へ影響する可能性があります。AutoHotkey v2のホットキー記法を確認し、使っていない組み合わせへ変更してください。
また、オンラインゲームでは、ゲームプレイ自体を自動化しない用途であっても、外部ツールに関する利用規約やアンチチートの扱いを確認してください。
私の環境ではAPEX起動前にAHKを終了する
私の環境では、このAutoHotkeyスクリプトを実行したままだとAPEXを起動できませんでした。そのため、APEXを遊ぶ前は、通知領域からスクリプトを終了しています。

画像のように、通知領域にある緑色の「H」アイコンを右クリックし、メニューからExitを選びます。アイコンが消えたことを確認してからAPEXを起動します。
停止手順は次のとおりです。
- タスクバーの通知領域を開く
- 緑色の「H」アイコンを右クリックする
- 表示されたメニューから
Exitを選ぶ - 通知領域から「H」アイコンが消えたことを確認する
- APEXを起動する
これは私のPC環境で確認した挙動です。すべてのPCで同じ現象が起きると断定するものではなく、起動できない原因を特定したものでもありません。ただし、APEXが起動しない場合は、AutoHotkeyを含む常駐スクリプトを終了した状態で試す確認方法の一つになります。
動かない場合のチェックリスト
- AutoHotkey v2で実行しているか
- EdgeでYouTubeが選択中のタブになっているか
- 動画プレイヤーを一度クリックしたか
- Edgeウィンドウのタイトルに
YouTubeが含まれているか - 左Shiftを使っているか
- ゲームをボーダーレスまたはウィンドウモードで試したか
- 通知領域にAutoHotkeyのアイコンがあるか
- APEXを起動する場合はAutoHotkeyを
Exitで終了したか
まとめ
今回のスクリプトは、ゲーム中に別モニターの動画を少しだけ操作したい、という小さな不便から作りました。
- 1本のAHKで音量と再生位置の4操作に対応
- 左Shift+左右で5秒戻し・5秒送り
- 左Shift+上下で音量を5%ずつ調整
- Edgeの動画ウィンドウをタイトルから検索
- 操作後は元のゲームウィンドウへ復帰
- YouTubeとdアニメストアの候補順を編集可能
- スタートアップフォルダーへ配置すればWindowsログイン時に自動起動
- ショートカットデバイスへ登録すればキーボードを直接押さずに操作可能
- 私の環境ではAPEX起動前に通知領域からAHKを終了
大がかりなアプリを作らなくても、AutoHotkeyを使えば、日常の数秒の手間を自分用のショートカットへ置き換えられます。一方で、フォーカス移動や対象タブなどの制約は隠さず理解して使うことが大切です。

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